2007-01-29

そして、ひと粒のひかり


コロンビアの田舎町のバラ農園で働く17歳のマリア。彼女の役割はとげ抜きで,機械のように次から次にとげを抜かなければならない。ある日上司と揉めクビになる。彼女の給与をあてにしている母と子連れの姉はもう一度働けるように上司に謝れと彼女を責める。

そんなときに,ボーイフレンドの子供を宿す。ボーイフレンドに相談するが彼女の思うとおりにはいかない。八方ふさがりの彼女に,麻薬の運び屋の仕事が舞い込んでくる...

序盤はマリアの生活/境遇を説明する映像なので少々退屈だったが,麻薬の運び屋を行うことを決心してからは,展開も速くハラハラしっぱなしだった。なんと言っても麻薬の運び方が凄い。麻薬をビニール袋に詰める。大きさは親指大ほどでそれを飲み込む。1,2個飲むのかなと思っていたら,62個も飲み込まなければならない。

胃の中で袋が破けたり税関で見つかったらおしまい。報酬は$5000なのだが,マリアが住む地域ではその金額で家が買える。究極の選択である。

私は酷い環境で生まれ育ったわけではないので,マリアの気持ちを分かろうとしても分かるはずがない。分からないけれど,世界にはこのような現実があることは知っておく必要はあると思った。そうすれば生活している上での日常の些細な不満は,とてもちっぽけなことに感じるからだ。現在に不満があるわけではないが。