2007-01-08

さよなら、僕らの夏


同級生のジョージからいじめられていた中学生のサム。それを知った兄が,兄の友人を誘い皆でジョージを騙し川に連れて行き,ボートから裸で川に落としそのまま帰らせるいたずらを計画する。

まんまと誘いに乗ったジョージ。クルマの中で会話をしているうちに,それほど悪い奴ではないと皆が思い始める。ジョージは学習障害であることを告白し,そのために感情の起伏を抑えられないからだ。サムは計画を中止しようと兄に言い,兄もそれに同意し他の仲間に告げるのだが...

どのような展開になるのか予想が付かずに,最後まで目が離せない映画だった。ジョージはいじめっ子といいながら,そのシーンは1度しかなく,しかもサムも悪いだろうという内容。正義感の強い女の子は最後までそれを貫き通すが,事件の引き金を引いたのが彼女の一言。

このように,あなたは全く悪くないと擁護できる人間が一人も出てこないという人物描写が,この映画を秀逸なものにしている。

私はジョージを憎たらしいとは思わず,そういう障害を持っているのだから仕方がない。欠点には目をつぶればいいのにと思った。しかし同年代だったら寛容な気持ちでいられるのだろうかと考えた。そのころの思考に戻れないので永遠の謎になってしまうが。