2007-01-28

タブロイド


エクアドルで幼い少年を犯しそして殺す連続殺人鬼「モンスター」が人々を恐怖に陥れていた。双子の兄弟の兄が殺され,「真実の1時間」という人気ニュース番組が葬儀を取材していた。

人気キャスターのマノロがその弟に取材をしている最中,弟は急に駆けだしトラックの前に飛び出し轢かれてしまう。運転手のピニシオが逃げ出すと勘違いした群衆は彼をリンチし,ガソリンをかけ火をつける。群衆により警察も右往左往している中,マノロが何とかピニシオを救出しその場面を一部始終放送した「真実の1時間」により彼はヒーローとなる。

翌日マノロは追跡取材のために刑務所を訪れ,子供をひき殺した罪で刑務所に入ったピニシオに「ここでは命を狙われるので,別の場所に移して欲しい。あなたが頼めば大丈夫だ。その替わりモンスターの情報を教える。」と懇願される。スクープが欲しいマノロはピニシオからモンスターの情報を得るのだが...

この映画はモンスターが誰なのかを予想するのではなく,マスコミがスクープと倫理の狭間で葛藤する感情を「どう決着をつけるのだろうと」と見つめる映画だと思う。私はこのような作品が好きなのだが,ミステリー・サスペンスを期待する人には不向きかもしれない。

序盤のリンチシーンは心が痛くなった。地の群れミシシッピーバーニングでも同じような気持ちになったことを思い出した。