2009-01-23

オンリーチャイルド/ジャック・ケッチャム


母親に虐待されて育ったアーサーは,子ども時代に数々の事件を起こしたが狡猾に立ち回り捕まったことが無く,今では人気レストランの経営者として町の名士になっていた。

彼の内面を知らずに結婚したリディア。彼に変態行為を要求され困惑するが,息子ロバートが生まれてからは要求が少なくなった。その一方で幼いロバートの様子がおかしくなってきていることに気が付いた...

虐待がモンスターを作り出すというよくある内容なのだが,それに裁判部分を加えたことでこの小説がより面白くなったと思う。

前半はエロ小説の様な描写も多く「失敗したかな」と思ったが,後半の裁判シーンからは目が離せない状態になった。本宮ひろ志の漫画なら裁判で悪事が暴かれカタルシスを得られるのだが,この作者の場合はそうじゃない。そこがもどかしいのだが,現実はこっちだよなと納得する部分でもある。