2009-01-23

隣の家の少女/ジャック・ケッチャム


扶桑社ミステリー
隣のルース家に少女がやってきた。メグとスーザンで姉のメグは僕と同じくらいの年齢だ。二人の両親は交通事故で亡くなったので引き取られたようだ。ルース家には母親と3人の息子がいて僕は母親とも息子達とも仲がいい。

ある日メグが家の中でルースに叩かれていた。お仕置きにしては激しすぎたが僕が口を出すことではない。そのうち僕が遊びにいっているときでもルースはメグに折檻するようになり、て息子達もそれに加わった。

止めなければと思っていた僕はその光景になれるに従いそんな気持ちはどこかへ行ってしまった。そして近所の子ども達も加わるようになり...

先日見た「アメリカン・クライム」という映画の情報を検索していたら「インディアナ少女虐待事件」を元にした小説がこれだと言うことを知り早速読んでみた。最初に映画を見ていたので(※映画は小説を元にしたわけでは無さそうなので細かい部分では異なっていたが大筋が同じ)免疫が出来たのか,ショッキングとは思わなかったが後味は悪かった。

傍観者に近い加害者である主人公の行動は,一般的な人々の行動を想像して書いているのだろう。事件を新聞やTV等で知ったときは「何やってんだよ。自分だったらすぐに通報するのに」と思うだろう。しかし実際当事者になり,主犯者達との過去から蓄積されている人間関係や思い出があるとそう簡単にはいかないのが現実なのだと思う。もちろん,そんなことより現実だとスパッと割り切れる心の強い人間もいるだろうけど。