2007-04-22

ツォツィ


南アフリカの貧民街で暮らすツォツィ。仲間4人と盗みや傷害を繰り返し,本物のギャングからはリトルギャングと呼ばれている。ある日黒人女性を撃ちクルマを盗んだ。クルマから金品を持ち去り立ち去ろうとしたとき,赤ん坊の姿に気が付いた。

置き去りにすることが出来ずに,赤ん坊を家に持って帰るツォツィ。仲間に内緒で育てようとするが勝手を知らないので悪戦苦闘する。ツォツィは同じような赤ん坊を持つミリアムを見つけ,赤ん坊に食べ物を与えてくれと脅す。ミリアムが赤ん坊を世話する姿を見ていたツォツィは自分の子供時代を思い出し,次第に心が変化していった...

主役の顔の表情の変化が素晴らしい。とにかく"ワル"にしか見えなかった序盤から,心が変化し改心していく終盤にはとても"ワル"には見えない表情になる。

アパルトヘイトを題材にした映画はいくつかあるが,貧民層のストリートチルドレンに焦点を当てた映画は初めてではないだろうか。白人と黒人の対立ではなく,虐げられている黒人の中での貧富の差での対立。とても意味のある映画だと思う。