2009-02-23

11'09'01/セプテンバー11


11の国の監督が11分9秒1フレームの長さで2001年9月11日のテロ事件をどのように受け止めたかを描いたオムニバス。

ドキュメンタリ映画を見ている感じだった。11本の中には相性の悪い映画もあった。印象に残ったのをいくつか挙げてみると,まずは3本目のエジプトの監督が撮った作品。アメリカ兵士の幽霊がテロで一般市民を巻き込むのは良くないと兵士がいうのだが,監督は「テロをする側から見ると,国民が政治家を選べる制度の国は国民も同罪だ」と言う。この様に考えたことがなかったので「一理あるな」と感心した。

5本目のインドの監督の作品はユーモアがあった。子供達が村でビン・ラディンに似た男を見て,通報して懸賞金を貰おうとする話。貧困に負けない子供達の無邪気さがとても良かった。

6本目のイギリスの監督が撮ったイギリスに亡命したチリ人が今回のテロで家族を失った遺族に手紙を書く話。手紙の内容は,チリでは国民の手で社会主義政権になったのだが,対立している右翼にアメリカがCIA等を派遣し力を貸し,数多くの国民を弾圧殺害し社会主義政府を崩壊させた。その右翼がクーデターを開始したのが'73年の9月11日だった。

当時のことは覚えていないが,日本の新聞はアメリカが正しい=クーデターは正しいという方向の記事を書いていたのだろうと想像できる。今もそうだが,新聞やTV等の商業メディアのニュースはネットの書き込みと同様に,まずは疑うという部分から入らないといけないだろう。