2007-06-27

Shooting Dogs(ルワンダの涙)


青年協力隊でルワンダにやってきたジョー。クリストファー神父の運営する公立学校へ赴任したが,その学校には国連維持軍が駐屯していてフツ族とツチ族の民族間紛争を監視していた。

1994年4月6日フツ族の大統領の乗った飛行機が撃墜され,それに怒ったツチ族がフツ族を殺害し始めた。学校はフツ族の避難場所となったが,国連軍は内政干渉をしないということなので見ているだけであった。そしてツチ族は大虐殺を開始した...

この映画は現地で撮影し,神父は実在の人物をモデルにしたそうだ。大虐殺は銃ではなく主に長刀で行われ,国連が撤退することになり残された人々が「長刀で殺されたくないので,国連の銃で撃ち殺して欲しい。特に子供達は苦しめたくない」と国連部隊の隊長に頼むシーンは切なくなる。

自分が10代だったらジョーと国連軍隊長の行動を非難していただろう。自分がその立場になったら何も出来ないこと知っていながら,それを知られるのが嫌なのでいつも以上に熱弁をふるって。

しかし,今の年齢だとそれぞれの立場のジレンマがよく分かり,それぞれ辛いだろうなと思うのが精一杯で,あの行動は云々などとは言えない。但し,神父なような行動を取れないということだけははっきりしている。

戦争や紛争の経験がない私がそれの善悪について語っても,それは結局机上の空論にしかすぎない。出来ることは,その様な事実を覚え蓄えておき,機会があればそれを伝える事と,自分がこの行動はやりたくないなと思った事を学習し,別の事象の時にそれを思い出し置き換え,実行しないことだと思う。