2008-04-28

善き人のためのソナタ


東ドイツの国家保安省ヴィースラー大尉は国家に心酔している。ある日,反体制的疑いのある劇作家ドライマンを監視するように命じられ,彼の部屋中に盗聴器を仕掛け1日中盗聴していた。盗聴していくうちに彼の思想や生活に感化されヴィースラーは徐々に変化していった...

138分の堅いストーリーのドイツ映画なので,見る前はハズレかもしれないと思っていた。しかしそれは大きな間違いで,退屈する箇所がないあっという間の138分。大傑作。国家に対する軽口も叩かないし許さないヴィースラーが徐々に変化していく様が見事で,ラストも素晴らしい。

頭脳警察の扇動という曲の歌詞の一節に
聞き耳立ててる奴らに 大声で話してやれよ
窓から覗いてる奴らに 股を開いて見せてやれよ

という歌詞がありこの部分が好きなのだが,当時の東ドイツ又は戦時中の日本ではさすがにここまで大胆になれないだろう。ということは,なんだかんだ不満はあってもまだまだ日本は住みやすい国なのだと思う。