2009-04-27

BOY A


青年は保釈後ジャックという名前をつけ再出発した。運送会社に就職し友人や恋人もでき,人助けもした。しかしある日ジャックが少年の頃「悪魔の少年」と呼ばれた重大犯だということがマスコミにばれてしまい...

出所後のジャックの生活と犯罪者になるまでの少年時代のジャックの行動が交互に描かれて,見ているものはジャックがどのような重大犯罪を犯したのかが終盤まで分からない。つまり,ジャックは更正もしているし本来悪い奴ではないということが刷り込まれるのである。

これで見る側は出所後のジャックの友人とほぼ同一の視線になる。そして実は許し難い犯罪を犯した少年だったということに気が付く。このあと自分だったらどのような態度をとるのだろうか。

犯人を許すかどうか決めるのは第三者ではなく,被害者の親族なのでと割り切って今後も付き合えるのか。あの犯人は許せないと思っていたのでその場でスパッと縁を切れるのか。想像だと限界があるので答えは出ない。