2008-09-01

君のためなら千回でも


ソ連侵攻前のアフガニスタン。金持ちの少年アミールは召使いのアリの息子の年下のハッサンと仲がよく,召し使いながらも家族のように暮らしている。ハッサンはアフガニスタンでは下に見られている民族のため二人は近所の年上の悪ガキ連中に誹謗されるが,そのたびにハッサンがアミールを守ってくれる。

凧揚げ大会の日二人の凧は優勝する。いつものように糸の切れた凧を拾いに行ったハッサンは悪ガキ連中に犯されてしまう。ハッサンがなかなか戻らないので探しに行ったアミールはその現場を目撃するがハッサンを助けることも出来ずに物陰で見ているだけであった。

アミールは自分の行為に恥じてそれを忘れるために,嘘をついてハッサン一家を家から追い出した。その後ソ連侵攻でアメリカに亡命したアミールは数十年後アメリカで作家としてデビューすることになった。そしてその日,アフガニスタン時代の父の友人から電話があり,タリバン政権で混沌としているアフガニスタンに戻ってこいと言われる...

子供の頃の罪を大人になってから償えるかどうかという物語で,アミールが主役なのだが見終わったあとにはアミールの存在は消え失せ,ハッサンの子供の頃はもちろんだが大人になってからも泣き言を言わない純真さ,誠実さばかりが印象に残った。