2010-06-28

正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官


邦題が酷すぎる。危うく見逃すところだった。

ハリソン。フォード演じるICE(移民税関捜査局)の捜査官を中心とした移民問題を扱った社会派ドラマ。クラッシュに似ていてとても面白い映画だった。

おなじみ?メキシコからの不法入国者。グリーンカードを取得できるところまでこぎ着けた韓国人,イラン人家族。オーストラリアから映画スターを夢見てグリーンカードを取得しようとする容姿はそこそこだが全く無名の女優。バングラデシュ出身の不法移民一家...等様々な人種,状況などが入り交じって物語は進んでいく。

最も印象に残ったのはバングラデシュ出身の不法移民一家。高校生の娘が9.11事件の犯人を擁護する発言を授業中に行ったためFBIの捜査が入り,家族の不法滞在を見逃す変わりにこの娘を国外追放するという条件をのまされてしまう。この娘はテロを容認したわけではないのだが,FBIは聞く耳を持たず日記やチャットなどの断片を状況証拠として無理矢理こじつけ,一方的に危険人物扱いしたのである。

このエピソードは大正時代,政府が行った大杉栄等アナーキストを標的とした理不尽な行為を思い出し寒気がした。