2008-06-08

ポーリーヌ


66歳のポーリーヌは知的障害を持つ老女。彼女の面倒は長女のマルタが見ていたが,突然マルタが亡くなってしまう。マルタは遺言でポーリーヌの面倒を見た者に財産を譲るとしていた。

残された身内は近くに住む三女のポーレットと郊外に住んでいる四女のセシール。ポーリーヌがポーレットを大好きなこともあり,渋々彼女が引き取ることになるがやがて手に余ることになり...

知的障害者の映画は数多くあるが,知的障害者を含め残された者が全て老人という設定は初めてで新鮮だった。ポーレットはポーリーヌを厄介者扱いするのだが,ポーリーヌが他人に意地悪をされると怒るという感情表現にリアリティを感じ,この感情表現ががラストシーンの伏線となる。

この映画での知的障害者の障害度は老人痴呆症に似ていて,亡くなった母親を少し思い出した。母が亡くなる前にこの映画を見ていれば,もう少し頻繁に会いに行ったかもしれない。